はじめに
社員証発行と聞いてイメージするのが、顔写真を撮影し、カードを作ることだと想像していると思います。
しかし、実際には写真をとるだけでは完結しません。頻繁に入社や退社がある会社は少し煩わしく感じるこの業務。
よく新任の方や派遣社員に振られているイメージです。長年実施している人がいることやセキュリティカードとして利用しているなど
少し磁気カードや建物のセキュリティなどに詳しくないと務まりません。ここでは簡単に紹介しておきます。
カードの種類
QRコード式も多く採用されてきていますが、いまだ磁気カード(NFC:近距離無線通信規格)は現役です。
利用されている磁気カードの種類はたくさんありますが、よく使われる2つだけ知っていれば問題ないです。
カードの種類 | タイプ | 固有の識別ID名 | よく使われる例 |
FeliCa(フェリカ) | Type-F | IDm(16桁) | セキュリティレベルなどに応じてStandardやLite-Sなどの種類があります。 システムによってLite-Sが使えない場合もあります。SONYが開発したカードであり 日本では広く使われています。 |
Mifare(マイフェア) | Type-A | UID(8桁) | Type-AはオランダのNXPセミコンダクターズが開発した規格で世界中で利用されています。 他の種類より安価であり社員証など多くに使われます。 |
社員証作成作業
一般的な社員証ができるまでをご紹介していきます。
1️⃣ まずは、社員証の前準備の段階です。
- 社員証シールの発行しカードに貼り付けている
- カードに直接印字している(業者への委託)
- カードケースを購入し、紙の社員証とカードをケースの中に入れている
大半は上記のどれかに当てはまります。社員が持っているカードを確認してみましょう。
2️⃣ 顔写真を撮影します。
顔写真は会社によってさまざまなルールがあります。とはいっても顔や髪型というより服装のルールが比較的に多いです。
白シャツ、ネクタイ必須やジャケット着用、ネックレス、ピヤス禁止などなどの制限がある場合や笑顔であれば何でもOKといったところもあります。
撮影時はカードを縦で使うのか横で使うのかによっても撮影する画像サイズなども変わってくるため注意しましょう。
そして撮影した画像ファイルは必ず「社員番号_名前」で一つのフォルダに保存してください。
この保存方法をしていないと、社員証画像を色々なシステムに反映させる際に痛い目にあいます。
3️⃣ 社員証の作成
作成方法により依頼したり、自分で印刷したりと変わりますが、必要になってくるのが以下です。
- 磁気カード
- カードケース
- 首掛けヒモ
カードケースはナイロン製、プラスチック製、縦横により値段が変わってきます。落下紛失防止用に予備のヒモ穴などが空いていると良いです。
首掛けヒモは工場などでは巻き込み事故防止のため、力が加われば首から外れやすいような構造になっているものが必要になったりします。
あとヒモの色は企業カラーに合わせることが多いですが、白だったり薄い系の色は、黒い汚れが目立ってきますので注意しましょう。
4️⃣ 各種システム登録作業
登録が多い代表的なシステムです。基本的にはカードの識別IDを用いて登録作業をします。磁気カードには任意で磁気を書き込める領域も存在し、その領域に社員番号や特定の番号を書き込む作業も存在します。
- 入退館管理システム
- 勤怠管理システム
- セキュアプリンタ
- その他個人を識別するためのシステムなどなど
5️⃣ 配布
使い方などを説明し、直接本人に配布します。
強い磁石や折り曲げたり切ったりすると機能しなくなる場合があるので説明しておいてあげましょう。
(自己責任による再発行にお金の負担がある場合はこの段階で説明してしまいます。)
課題
一見簡単そうな仕事ですが、さまざまな課題が存在します。
例えばカード紛失時の対応について、全てのシステムの利用権限を停止することはもちろんのことですが、代わりのカードを発行する手間も発生します。
さらには、ビルで運用しているセキュリティカードと社員証のカードの種類が違うことで、2枚持ちなどの場合も多々あります。
他にもカード自体は永遠に利用できるものではないため、読み取らなくなることも想定して準備しておく必要があります。
このように物理的なものがあるためその管理など非常に手間になります。過去から脈々と続いている運用や移転などのドタバタしたときに変えてしまいもう手のつけようがないような状況のこともよくあります。
それらを理解した上でこの業務にあたる必要があります。